■新潟市秋葉区・数奇屋の家
―大改造リフォーム工事―
子供さんが独立。いよいよ夫婦念願の家づくり計画五十代のご夫婦です。子供さんたちはみんな結婚しそれぞれ家庭を持ち独立し心配がなくなりました。そこでご夫婦の長年の夢である日本風の数奇屋造りの家を造りたいとのお話を頂いたのです。

■施工前

●新築かリフォームか…
当初ご夫婦は、新築工事にするかリフォーム工事で何とかできるかで悩んでおられました。そこで、両方のケースにおける、家の造りから予算に至る様々な可能性について、納得行くまでたっぷりと話し合いました。
・新築工事の場合工事費の他に解体費も余計にかかりリフォームより約50％は多くかかる
・土地の特徴（方角、陽の入りなど）で間取りを決めることが多く、同じ場所に作った場合同じ位置に間取りが来る
・今の建物が和風だから基本的には同じようになる
ということで、それなら実際仕事としては新築工事のほうがずっとやりやすいわけです。
しかし私としては、築数十年というまだまだ新しい家で、荒木さんのお父さんが残されたお家の、まだまだ使える自然素材を出来たら無駄にしたくないという想いが強く、上記の条件を承知で大改造リフォーム工事で設計計画案を作らせて欲しいとお願いしました。その上で満足できない場合は新築を考えましょうと。

　　

●造る前の話し合い、相互理解が?づくりの何よりの基礎になる
その後、一年間かけて、荒木さん家への想いや作り手の知識を混ぜ合わせてじっくりと案を練っていきました。とにかく何でも話し合いました。家はずっと続く生活の場ですので、住まわれる方の生活観を抜きにしてはいい家は出来ません。どんな事がその方の生活を彩り占めているのか、それによって間取りや材質が決まっていくのです。結果として新築ではなく現存の材を活かしたリフォームで、縁側から庭が望めるＬ型の数奇屋造りの家に。また予算の余裕で12畳和室、書院、床の間、脇床、ＬＤＫと床暖房と必要な物はすべてつけることができたのでした。荒木様のこだわりの室内の塗り壁、そして手づくり自然無垢建具の取り付けも実現し、思う以上の仕上がりにとても喜んでいます、とのお話を頂きました。今は夫婦共通の友達と一緒に和室で酒を飲むのが楽しいとの事です。現在は外庭をご自分達で楽しみながら作っておられます。